9月の音楽祭
大阪・御堂筋界隈(かいわい)を舞台に、大阪フィルハーモニー交響楽団と大阪市などが9月に開催する音楽祭「大阪クラシック」のメーン会場に大阪弁護士会館(大阪市北区)大ホールが選ばれた。シンポジウム向けの設計で、音響効果はあまり考慮されていないが、昨年末の開館記念行事に招かれた大フィルのメンバーらが気に入り、白羽の矢を立てた。ホールの一般開放を掲げながら利用ゼロが続いていただけに、大阪弁護士会は「大阪を代表するオーケストラのコンサートに使ってもらえて光栄。これを機に多用途に利用が広がれば」と期待を寄せている。
同会館は昨年9月、旧大阪高・地検の跡地に開館。14階建て、延べ約1万7000平方メートルと弁護士会館としては全国最大級の規模で、大ホールは800人を収容できる。
大阪クラシックは、御堂筋に音楽で彩りを添えようと同9月に初めて開催。大フィルなどが市役所や北御堂本堂など18か所で1週間にわたって計50回のコンサートを催した。
いずれもほぼ満員の盛況だったことから、今年はメーン会場として、より収容力や交通の便、公共性が高いホールを物色。昨年12月、同弁護士会の依頼を受け、大ホールで開館記念の演奏をした際、案外音質がよく、観客からも「迫力があった」と好評を得たことから使用を決めたという。
同弁護士会は、「市民に開かれた会館」を目指して大ホールを一般開放しており、演劇や文楽、音楽会などの利用を呼びかけてきたが、これまで外部からの利用申し込みはなかった。
大フィルの西野隆士・常務理事は「ステージと客席が間近で、演奏家の息づかいまで楽しめるし、クラシックに一層親しみを持ってもらえると思う。今後も互いに協力し、市民向けのコンサートを続けていきたい」と話している。
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