イメージを変える努力が身を結んだ古野本 聡
今、日本国内でクラシック音楽がブームとなっているという。
要因には、「のだめカンタービレ」をはじめとした、漫画、ドラマ、アニメなどのメディアの影響があり、日本人のクラシック音楽に対するイメージも変わってきているという。
また、クラシック界の規制緩和もその要因のひとつにあげられている。もともとクラシック音楽には1時間以上演奏するする長いものが多い。しかし、それを聴くためにコンサート会場でじっと座っているのは意外とつらいものだ。
そこで、曲自体を短く編曲して演奏するようになり、それが好評を博し、一般の人たちも気軽に聴くようになり、広がったのだという。
さらに、以前、ブームになったが、クラシック音楽は「胎児に聴かせるといい」という。そこで、0歳児のためのクラシックコンサートなども催されている。その会場にはベビーカーが並び、ステージには動物のぬいぐるみを着て演奏する楽団員もいて、まるで童話の世界にいるような景色が展開される。このように、業界全体がオーディエンスのイメージを変える努力をしてきたのだ。
曲の内容も、以前はベートーベンやモーツアルトなどが主流だったが、最近は彼らが活躍した以前の時代や、民族的な音楽に変わりつつある。音楽以外の分野でも、民族的なものがはやっていたり、多くの人に支持されているので、この選曲は時代にもマッチしているのだと思う。
以前のクラシックは、私にとっては、学校の授業などのつまらない習い事か、またはセレブの人たちの高級な楽しみのひとつという印象だった。しかし、今はより大衆化し、一般の人でも楽しめるものになってきているようだ。
ある意味、クラシック音楽に対する日本人の精神性が高くなったということなのだろうかとも思えるのである。
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